土曜日, 7月 01, 2006

スポーツ小論

スポーツ小論などと銘打ったが,大したことを書くわけでもない.
イングランドの試合を見ていて,なぜ俺はわざと転ぶ輩のことを嫌いなのかと考えてみて,結局それは俺が柔道をやっていたからなのだろうと思い至った次第なので,ちょっとそれについて書いておこうと思う.
例えばサッカーで激しくぶつかったりしてイエローをとられたりする,いわば危険行為に該当するようなプレイはわざと転ぶような「技」に比べてほとんど気にならない.もちろん怪我を負わせてはいけないが,しかし真剣に試合に臨めばこそ,結果的に激しくぶつかることも起こる.

わざと転んでフリーキックをとろうとする行為がなぜ俺にいわば生理的嫌悪感のごときを感じせしめるのかというと,思い至ったところにおいて,結局柔道で転ぶ(転ばされる)ことはすなわち相手にポイントを与えることだからなのだろう.柔道において相手にポイントを与えるということは,すなわち,武術というレベルで考えればそれは「死」を意味するわけである.そういうことを,特に高校時代に通った道場で叩き込まれた.稽古でへとへとになって,足がついていかないこともままあり,そうして転びそうになる,あるいは転んでしまうと,容赦なく殴られたし(あるときは蹴られた),無理矢理引っ張りあげられて,そのまま2,3度目の前が真っ白になるくらい畳に投げつけられた(時々,故意に板の間に投げられた).もう,あの地獄はねえ,今思い返すだけでも,よく耐えたものだと思うくらい凄まじかった.どういうスポーツにもそういうしごきはあるはずだし,そういうしごきがなければまたスポーツは上達しないと俺は思う.
まあ,そういうわけで,男がわざと転ぶがごときを見せられると,本気で腹を立ててしまうのである.もっとも腹の立つのは転んで,「あんよがいたいよー」などとポーズしてみせているのを見ると,ほんとブン殴ってやりたくなる(笑).●●二つぶらさげてんだろう!と怒鳴りたくなる(笑).
もちろん,これは柔道をやっていた人間が勝手に自分の柔道で身につけた感覚をそのまま異種のスポーツに適用しているという,めちゃくちゃな話なのであって,サッカーと柔道は違うと言われればその通りであると思う.ただ,スポーツの試合というのは武道であれ,なんであれ,勝負なのであって,姑息な手段で勝ちを得ようとするのは,卑怯だと思っている.勝てばいいじゃないか,というのも一つの考えだが,俺はそういうのは好かない.

そういった意味において,自分のよく知る柔道に関しては,特にオリンピックで世界の力業柔道に対して,本来の柔道を体現すべき日本選手が振り回されて,ポイントで勝つなどというような試合を見る度に,そういうふうに勝つくらいなら潔く一本取られて負けるべきと思う.

醜くあがいて,セコイ勝ちを得るくらいならば,潔く負けよ.これもまた一つの考えであると思う.