理論屋集会
Ruban先生の発案で,今日,理論流体力学屋(以下理論屋)の,理論屋による,理論屋のための集会が開かれた.集会というか,日本でいえば,ゼミとか, 討論会とでもいったような類の集まりである.これまでも,インフォーマルセミナーとか,毎週水曜の応用数学セミナーなどで講演会をやったりということは あったが,理論流体力学だけに焦点を絞ったものというものはなかった.そこへ,たまたまアメリカからRuban先生の知り合いの若い研究者が先週から 10ヶ月の間,マンチェスターの理論流体力学グループの方へ各員研究員として来校されたということもあって,その方を交えて今後こういった理論流体力学集 会のごとき集会が催されることになったのである.
何故,こんな集まりが催されたかというのは,Ruban先生の開会宣言ともいうべき,その言葉の中にある.即ち,昨今理論屋は,CFDにかまけて,何でも 「解いた」気になってばかりいる,脳無し(能無しの間違いではない---null brain)ばかりである.絵ばかりならべて,その背後にある物理を故意にか忘却している.どのジャーナルを見ても,かのJFMでさえ,昨今は,つまらな い絵ばかり並べて解いた気になった論文ばかりである.CFDとは詰まるところ,実験なのである.理論屋の為すべきことは,その実験が本来的意味の実験であ ろうと,数値実験であろうと,そういった実験の背後に潜む物理を定量的に説明しうる数学的理論を提供すること以外にはないのである.確かに定量的に現実に 合う理論を構築することは大変難しい.そして,それが難しいのは結局我々の自然に対する理解が乏しいからに他ならない.今日,こうしてこのように理論屋た る我々がここに一同会し,我々の前に提示されている基本的且つ難解な問題について,忌憚なく議論を交わすことが,我々の流体現象に対する理解を深めること になり,ひいては新たなブレイクスルーを導くものとなるであろう.そうした意図を以て本日,お集まりいただいた次第である.
---と概略はこんな感じ.まあ,少々堅苦しい言葉で綴ったが,Ruban先生は時折冗談をうまく交えながら,ともかくこういった趣旨のことを言われた. まあ,そう堅苦しい会合でもなく,冗談は各人ぽんぽんとばしておったようなわけだが,俺もついつい上の開会宣言のごときの途中,先生がCFDにかまけてい る理論屋を揶揄しておられた際,ぼそっと「Colourful fluid dynamics」とつぶやいたら,会場一同大爆笑.すかさず先生「俺はそこまで酷いことは言ってないがな」と,も一つ大爆笑.
ちなみに,今日集まったのは,Ruban先生,Duck先生,Gajjar先生の理論屋三先生と,俺を含めた各先生の学生の一部のみ.非常にこじんまりし た集まりだが,なかなか白熱した議論が展開され,面白い集まりであった.直接的に俺の研究に関係することでもあるので,Ruban先生とDuck先生の議 論の中で,時折,「その問題はアイツ(俺のこと)がやっている」と云って指差され,何か言わなきゃならんのか,と大変弱らされた.
木曜に,今度は昼食を挟みながら,も一度同じ集まりがある.上にのべた客員研究員の方のほかにもう一方アメリカの方から来英しておられる方があり,彼は次 の日曜に帰国されるため,せっかくだから,と,週に二度も.今日は主に,来校しておられる研究者の方の問題提起を中心に話が進められたが,木曜は,三先生 がそれぞれ約一時間ずつの時間で話をされる予定.Ruban先生曰く,「金曜あたりに学生にしゃべらせるか」.先生のすぐ近くに座っているRameshを とばして,先生,俺の方を見てニヤリ.まあ,他の先生方のご都合もあるでしょうから.さすがに金曜はないだろうと思いつつも,もし木曜に名指しされたら, とりあえず,今抱えている問題をぶちまけて,意見をもらうような形にすりゃいいかとは思っている.どうせ身内でのことなので,形式ばることもないし,だい たい形式ばったところで,どうせ,すぐに蜂の巣にされて,予定プログラムをこなせるわけもないから.
まあ,しかし,本当にあるかどうかもわからない,金曜のことなどの前に,明日先生に持っていかなきゃならない計算を仕上げることが先である(苦笑).


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